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女性のキャリア形成で直面する悩みとその乗り越え方のヒント

コラムサムネ
女性がキャリアを築く過程では、出産や育児、介護などのライフイベントや健康課題など、さまざまな壁に直面することがあります。「出産後もこれまでどおり働き続けたい」「もっと責任のある仕事に挑戦したい」という気持ちがあっても、現実とのギャップに悩む女性も多いのではないでしょうか。

今回は、女性がキャリア形成で直面しやすい課題について解説するとともに、それを乗り越えるためのヒントも紹介します。

1女性がキャリア形成する上での課題

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キャリア形成に悩む女性は多く、「働き続けたい」「もっとキャリアアップしたい」という前向きな気持ちがあっても、さまざまな理由から行動に移すことができないケースもあります。

特によくある課題は、以下のとおりです。

ライフ・ワーク・バランスの変化

育児や介護などのライフイベントによって生活環境が変化すると、働き方に影響を与える可能性があります。

総務省統計局の調査によると、6歳未満の子供を持つ夫婦共働き世帯では、男性の1日に家事等に費やす時間は増加しているものの、依然として女性に負担が偏っていることが分かります。
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出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」を元に作成

女性特有の健康課題を抱えている

PMS(月経前症候群)や生理痛など、女性特有の健康課題に悩む方も多くいます。

特に40代以降の更年期は、ホルモンバランスの変化により体調が不安定になりやすく、健康上の理由からやむを得ず離職するケースも見受けられます。

東京都産業労働局が行ったアンケート調査によると、女性特有の健康課題によって「キャリアアップや仕事を引き受けることなどを諦めた経験がある」と回答した方は、全体の約3割にのぼりました。

この結果からも、健康課題が女性のキャリア形成に与える影響の大きさが窺えます。

出典:東京都産業労働局「働く女性のウェルネス向上委員会 アンケート結果」

今後のキャリアパスが不透明

「あの人のように働きたい」と思えるロールモデルが身近にいないことから、キャリアアップへの道筋が見えにくく、不安を抱える女性もいます。

特に職場に女性管理職が少ない場合、成長し昇進した先にどのようなキャリアがあるのかを思い描きにくくなり、仕事へのモチベーションにも影響を与えかねません。

内閣府男女共同参画局の報告によると、令和5年の管理職に占める女性の割合は、諸外国では概ね30%以上であるのに対し、日本はわずか14.6%にとどまっています。

さらに、育児や家庭の事情を理由に責任の少ない業務を割り当てられ、昇進や昇給のチャンスが減少する「マミートラック」と呼ばれる状況も、女性のキャリア形成における深刻な課題となっています。

出典:内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和6年版」

2女性のキャリア設計を考える上でのヒント

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ライフ・ワーク・バランスの変化に備えつつ、自分らしく働き続けるためにも、早い段階からキャリア設計を意識することが大切です。

ここでは、女性が今後のキャリアを考えていく上でのヒントをいくつか紹介します。

仕事や働き方に対する価値観

キャリアを築いていく上でまず大切なのは「自分のしたいことは何か」「自分はどう働きたいのか」という価値観を中長期的な視点で明確にすることです。

例えば、「昇進して責任のある仕事を任されたい」「ライフ・ワーク・バランスを大切にしたい」「柔軟な働き方で自分のペースや家族との時間を大切にしたい」など、理想とする働き方によって描く将来像が異なります。

目指す方向性を明確にし、必要となるスキルや経験、取り組むべきことを整理していくことが、自分らしいキャリアを築く基盤となります。

職場や家庭の環境

将来、出産や育児を考えている場合は、現在の職場の制度や家庭での協力体制を確認しておきましょう。

子供が生まれると、保育園の送迎や急な体調不良への対応など、子育てと仕事の両立に悩む場面が増えてきます。育児休業や時短勤務制度に加え、フレックス勤務制度や在宅勤務制度など、柔軟な働き方に対応している職場であれば、子育てとの両立がしやすくなるでしょう。

また、今後のキャリアを考える上では、夫婦間の話し合いも大切です。夫婦それぞれが思い描く働き方やキャリアの希望を伝え合い、お互いの望むキャリアを実現しながら、どのように家庭を築いていくかについても、話し合っておきましょう。

お互いの考えをしっかり共有できれば、家事や育児の分担においても協力体制を築きやすくなります。

3女性が安心して働き続けるための支援・サポート

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東京都では、女性のキャリア形成をサポートするための取り組みを行っています。ここでは、女性が安心して働くための3つの支援やサポートを紹介します。

家庭と仕事の両立支援ポータルサイト

家庭と仕事の両立支援ポータルサイト」では、実際の両立体験談や専門家のコラムなど、育児や介護と仕事の両立に役立つ各種情報を提供しています。

併せて、両立に関する東京都の支援制度も紹介していますので、ぜひご活用ください。

企業と働く女性のキャリアパートナーシップ支援事業

東京都では、ライフステージや健康面での様々な課題を克服しながら、自分らしいキャリアを築く女性従業員を支援しています。

本事業では、女性従業員と企業に向けて13のプログラムを無料で提供しています。

「現在の自分の能力に自信が無い」、「ロールモデル不在によりキャリアデザインが描きにくい」、「育児や介護等と仕事の両立に課題を抱えている」等のお悩みでお困りの方は、本事業をご活用ください。

はたらく女性スクエア

はたらく女性スクエア」では、働く女性や企業を対象とした総合相談の実施の他、女性向けのセミナーを開催しています。

働く女性の総合相談窓口(事前予約制)
オンライン(Zoom)、面談(来所)等により、下記の相談を実施しています。

・キャリア相談
経験豊富なキャリア相談員が、キャリアアップに関することや、子育てと仕事の両立などの相談を実施します。

・社外メンター相談
企業や業界の垣根を越え、多様なバックグラウンドを持つメンターが、設定した目標に向けて伴走支援します。未来の目標に向かって進むためのアドバイスとサポートを受けたい方に最適です。

・健康課題相談
保健師等の専門資格を持った相談員が、女性の様々な健康課題(月経、妊娠・不妊、産後の不調、更年期、婦人科系疾患、女性ホルモンの変化による症状など)についての相談に対応しています。

・労働相談
労働相談担当者が、育業や介護等との両立、ハラスメントなど、女性の労働問題に関する相談をお受けします。

セミナー
働く女性向けに、家庭と仕事の両立等に関するセミナーを実施しています。

4女性のキャリアはどう考える?

女性のキャリアプランを考える際には、仕事に対する価値観や希望する働き方、職場環境、夫婦間の協力体制など、さまざまな要素を考慮する必要があります。

加えて、結婚・出産・育児・教育・住宅購入・介護などのライフイベントにどれくらいの費用がかかるのか、という「お金の見通し」も一緒に考えておくことが大切です。

働き方とライフイベントによって収支バランスがどう変化するのかを把握しておくことで、現実的かつ納得のいくキャリア設計ができるようになります。

次のステップとして、あなた自身の収入やワークスタイルとライフスタイルのバランスから、将来の収支をシミュレーションしてみませんか?

将来設計シミュレーター「イフキャリ」なら、6つの​ワークスタイルを切り替え​るだけで、​生涯収支の違いを​比較できます。

お金とキャリアのアドバイザーによるアドバイスや、活用できる東京都の施策も紹介しているので、自分らしい働き方、生き方を考えるヒントになります。理想のキャリアやライフプランを実現するために、ぜひ活用してみてください。

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